つかの間の無敵感
「佐々井」に主人公が株をする際の名義を貸して欲しいと頼まれるシーンがある。明らかに怪しい話だが、主人公は引き受けてしまう。私はそんな彼の心理状況を描いた以下のセリフが好きだ。
「妙なことになったと思った。しかし、その頃のぼくは妙な話をすべて歓迎するような心境にあった。自分と周囲の間にある一定の距離があって、何をするにせよぼくはその距離のところから周囲の世界を観察している。佐々井でさえ、その周囲の方に属した。そして、どんなことになってもぼくを巡る世界はぼくを傷つけることができない。そういう自信があった。」
好きな理由は、この気持ちになった時の気持ちよさを思い出せるからだ。私はこの気持ちを感じたことがある。この気持ちになると自分の考えを何よりも優先させて考えることができるようになるため、自分は無敵だと思える。
常にそう思えたらいいのになと思う。
[ひとくち文化]
眠いからおやすみ。